東西を結ぶ大動脈として北海道発展に寄与した北海道官設鉄道十勝線のうち、狩勝峠を越える落合・新得約30km間は、1000分の25の急勾配や最小半径180mの急曲線が続き、北海道における鉄道の最大の難所であることから、途中にスイッチバック式信号場が設置されました。また難工事のすえ、高さ80mの築堤や延長124mの隧道なども建設されています。
新線開通とともに狩勝信号場は廃止されましたが、40年以上経た現在、建物基礎、築堤、石造アーチ橋などが残されており、当時をしのぶことができます。地元では狩勝峠を越えた鉄路の記憶をまちづくりに活かそうと、郷土史家、旧国鉄職員、観光事業者、町民らによってNPO法人が結成され、保存活動はもとより、見学会、ビジターハウスの運営など観光への活用が行われています。