公益社団法人土木学会


対象
・土木学会選奨土木遺産の候補の選定には、北海道支部など全国の支部からの推薦によるもの(「支部推薦」)と、公募によるもの(「公募推薦」)とがあります。
 ※「公募推薦」 : http://committees.jsce.or.jp/doboku_isan/isan_koubo
・選考対象は、交通(道路、鉄道、港湾、河川、航空、灯標)、防災(治水、防潮、防風)、農林水産業(灌漑、干拓、排水、営林、漁港)、エネルギー(発電、炭田、鉱山)、衛生(上下水道)、産業(工業用水、造船)、軍事などの用途に供された広義の土木関連施設で、国内に存するもの又は邦人技術者が携わった海外に存するものを対象としています。
・「支部推薦」を行う土木学会北海道支部選奨土木遺産選考委員会は、1名の委員長と約10名程度の委員で構成され、年数回の委員会や候補となる土木施設の視察を行います。
手順
 候補の選考では、基本となる資料、

A北海道支部による調査で作成されたリスト

より、今年度の候補を数件ほど選んで、施設の管理者や関係する機関への意向確認、現在の状況確認を行っていきます。次にこれらの情報を持ち寄って、選奨に向けた評価を支部委員会において実施し、候補を絞ります。北海道支部では評価の項目として、「技術的特長」「系譜的特長」「意匠的特長」「地域的愛着」の4つの視点から評価します。
こうして候補となった土木施設については管理者と打ち合わせをしながら評価書を取りまとめ、土木学会本部選考委員会に推薦します(「支部推薦」「公募推薦」の両者がなされる)。ここで多数の専門家委員の厳密な審査と討議によって選考がなされ、その後の理事会での決定を経て正式に土木遺産の認定がされ、記者発表となります。

表彰
認定された土木遺産へは「銘板(ブロンズ製、国登録文化財と同じ形)」と「認定書」が贈呈されます。これらを授与する式典が北海道支部においては土木の日(11月18日)の行事で行われます。管理者の皆様(事務所長さんや直接の維持担当の方など)からは土木遺産のプレゼンテーション説明も行われ、華々しくお披露目がなされます。この土木の日行事には、土木学会員以外の方も参加できるので、ぜひ皆さんもご参加ください。

期待
この選奨土木遺産の制度によって、次のような効果が期待されています。

1.社会へのアピール
土木遺産の文化的価値の評価、社会への理解等

2.土木技術者へのアピール
先輩技術者の仕事への敬意、将来の文化財創出への認識と責任の自覚等の喚起

3.まちづくりへの活用
土木遺産は地域の自然や歴史・文化を示す地域資産の核となるもの、との認識の喚起

4.以上の観点から、失われるおそれのある土木遺産の救済・保護の必要性のアピール
貴重な土木遺産の保護