公益社団法人土木学会


令和2年度認定
金山ダム
空知郡南富良野町 竣工年:1967(昭和42)年
金山ダムは、中空重力式構造やフロート式取水塔等先駆的技術を採用、北海道総合開発計画の下、建設された治水・農業・水道・発電用多目的ダムです。
 堤高57.3m、総貯水容量150,450千m3、湛水面積920haの、中空重力式コンクリートダムです。
 建設当時はセメントが高価で人件費の安い時代であり、重力式に比較してコンクリート量を節減できる中空重力式が選択されました。同型式では総貯水容量と湛水面積が全国第1位です。また、農作物に適した水温の農業用水を供給するため、多目的ダムとしては国内初のフロート式の取水塔が採用され、最大取水量48m3/secは同型式では現在も国内最大です。
 平成28年には観測史上初めて3つの台風が北海道に上陸、さらに台風10号が接近し、計画規模を大幅に超える洪水となりましたが、下流の富良野市布部地点の水位を約2.3m低下させ、大量の流木を補足するなど大きな効果を発揮しました。
 平成30年9月の北海道胆振東部地震では、全道に及ぶブラックアウトが発生しましたが、金山発電所が道内で最も早く発電を開始、この電力を元に順次、他の発電所の運転再開が可能となり、復旧に重要な役割を果たしました。
 貯水池「かなやま湖」の面積は人造湖として全国第6位の広さを誇り、ダム湖百選にも選定され、年間22万人余り(平成26年度調査)の利用客が訪れるなど、主要な観光スポットにもなっています。

金山ダム全景

取水設備


中空重力式ダム内部

中空重力式ダム内部

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