【日 時】9月17日(木)16:00~17:40
【場 所】岡山プラザホテル(新館4F鶴鳴の間)
【参加費】無料(一般参加可)
【司 会】橋本成仁(岡山大学准教授)
コーディネータ Coordinator
岡山大学理事・副学長
Vice president, Okayama University
環境生命科学研究科 教授
阿部 宏史(Hirofumi ABE)
工学博士,土木学会フェロー会員 Fellow of JSCE
略 歴:1980年京都大学大学院工学研究科修士課程修了,1982年京都大学工学部助手,1988年岡山大学工学部助教授,1999年同環境理工学部教授,2007年~2011年同大学院環境学研究科長を経て,2011年4月より岡山大学理事・副学長,大学院環境生命科学研究科教授,現在に至る.専門は,都市・地域計画学,交通計画学,環境計画学.
文部科学省日本ユネスコ国内委員会,国土交通省中国地方整備局事業評価監視委員会,岡山県事業評価監視委員会,岡山市都市計画審議会,倉敷市都市景観審議会などの委員を務める.
地域とともに確かな未来を築く土木技術 ~新たなる第一歩~
Civil Engineering to Create a Future Positive with Community
We are going to take a new step forward.
討論内容:平成26年11月24日に土木学会は創立100周年を迎えました.これまでの100年は,土木技術者の高い使命感により社会基盤の整備に貢献してきましたが,近年では急速に進む人口減少,局地化・集中化・激甚化する豪雨,切迫する巨大地震,インフラの老朽化など様々な課題に対し,持続可能な社会を築ため,新たな対応が求められています.学会をはじめ個々の土木技術者においても,これらからの100年に向けた新たなる第一歩を踏み出す必要があると考えます.また,これらの課題には,地域との協働によって立ち向かっていくことが不可欠となっており,土木工学の原点であり不変の使命である「国民の生活を守ること」に立ち戻り,「今,土木がやるべきこと,できること」が何であるのかも求められています.次世代の子供たちに強くしなやかで美しい国土を引き継ぐという土木技術者のメッセージをどのように発信していくのかを,各分野で活躍されているパネリストと共に議論していきたいと考えます.
パネリスト Panellist
国土交通省技監
Vice-Minister for Engineering Affairs, Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
池内 幸司 氏(Koji Ikeuchi)
博士(工学),土木学会正会員 Member of JSCE
話題提供「次なる100年を見据えた国土と地域づくり」
略 歴:1980年東京大学工学部卒業.1982年東京大学大学院工学系研究科修了.同年建設省(現・国土交通省)入省.2006年内閣府(防災担当)参事官,2009年河川局河川計画課長,2013年近畿地方整備局長,2014年水管理・国土保全局長などを経て,2015年7月より現職.この間,土砂災害防止法,水防法等の改正も担当.主な著書・論文「Floodplain Risk Management」(共著)(A.A.BALKEMA/ROTTERDAM,1998),「河川計画論」(共著)(東京大学出版会,2004),「日本における河川環境の保全・復元の取り組みと今後の課題」(応用生態工学,2003),「大規模水害時の人的被害の想定と被害軽減方策の効果分析」(土木学会論文集,2013)など.
NHK解説委員
Senior Commentator , NHK
後藤 千恵 氏(Chie Goto)
話題提供「人口減少社会に求められるドボクとは?」
略 歴:1988年早稲田大学政経学部政治学科卒業.同年NHK入局.福岡放送局を経て1993年東京・社会部記者.地方自治,公共事業,労働問題,格差・貧困問題などを担当.ニュース取材・リポートのほか,「NHKスペシャル」,「クローズアップ現代」などの番組制作に携わる.2003年厚生労働省クラブキャップ.2006年解説委員.労働,福祉,社会保障,地域社会に関わるテーマ等を担当.「時論公論」「くらし☆解説」などの解説番組のほか,「解説スタジアム」「週刊ニュース深読み」「ハートネットTV」などの番組に出演.2013年6月よりNHK放送文化研究所メディア研究部副部長兼務.
鹿島建設株式会社
Field overseer, Kajima Corporation
東京外環地中拡幅準備事務所所長
須田 久美子 氏(Kumiko Suda)
博士(工学),土木学会フェロー会員 Fellow of JSCE
話題提供「女性技術者から見た次なる土木の100年」
略 歴:茨城県出身.二児の母.中央大学理工学部土木工学科卒業後,1982年鹿島建設入社.研究部門でコンクリート構造の耐震性向上や長寿命化技術の研究開発に従事,05年設計部門,07年裏高尾橋工事現場の副所長,09年中央環状品川線五反田出入口工事現場の副所長,14年から現職.「裏高尾橋」で日本コンクリート工学会作品賞.09年にはウーマン・オブ・ザ・イヤー(日経ウーマン)に土木技術者として初めて選出された.「(一社)土木技術者女性の会」の人材育成担当運営委員として土木の魅力を一般にアピールし次世代育成の活動に力を入れている.
真庭市長
Mayor of Maniwa
太田 昇 氏(Noboru Oota)
話題提供「『里山資本主義』真庭の挑戦」
略 歴:京都大学法学部卒業.1975年に京都府へ入庁し,財政課長,知事室長,総務部長等を経て,2010年から副知事を務めた後,2013年4月に真庭市長へ就任,現在に至る.真庭市の持続的発展のためには,地域資源を見出し,活用し,連携していくことが一つの方策であるという考えのもと,豊かな木質資源を活用したバイオマス発電やCLT(直交集成板)の普及など,里山真庭の多彩な地域資源を生かした戦略的取組に挑戦している.
東京工業大学教授
Professor, Tokyo Institute of Technology
大学院社会理工学研究科
桑子 敏雄 氏(Toshio Kuwako)
博士(文学),土木学会正会員 Member of JSCE
話題提供「社会的合意形成のプロジェクトマネジメント」
略 歴:1975年東京大学文学部哲学科卒業,同大学院人文科学研究科哲学専修課程博士課程修了.南山大学文学部助教授などを経て1989年東京工業大学工学部助教授,1996年同大学院社会理工学研究科教授.専門は,哲学・倫理学・社会的合意形成・プロジェクトマネジメント.著書多数,特に『環境の哲学-日本の思想を現代に活かす』(1999年,講談社)の出版を機に,国や地方自治体による様々な社会資本整備の社会的合意形成とプロジェクトマネジメントに携わる.2014年土木学会創立100周年記念事業「市民普請大賞」の創設に従事.
NPO法人吉備野工房ちみち理事長
Chairman of the Board of Directors, Specified Nonprofit Corporation Kibino-Kohboh Chimichi
加藤 せい子 氏(Seiko Katoh)
話題提供「住民協働による個性ある地域づくりや連携・交流」
略 歴:岡山県総社市在住.子育てをする中でPTAやボランティア活動などに取り組む.10年間のボランティア経験を活かし,平成20年5月にNPO法人吉備野工房ちみちを設立し,まちづくりに関連する市民活動を支援している.その活動が認められ,平成21年度に国土交通省中国地方整備局より夢街道ルネサンスの運営団体として認定を受ける.現在,内閣府地域活性化伝道師,総務省地域力創造アドバイザー,慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究員,岡山県社会教育委員,倉敷芸術科学大学非常勤講師,中国短期大学非常勤講師を務める.
JSCE celebrated the 100th anniversary on 24th of November, 2014. For the past 100 years, civil engineers have made significant contributions in building our infrastructures following their ethics and integrity. Recently, it is well recognized that many civil structures have suffered serious deterioration over the years of their services. For the next 100 years, maintaining the aging infrastructure will hence be one of the most important tasks of civil engineers. Another crucial task that civil engineers are responsible for is disaster prevention and mitigation as we were reminded unfortunately by the last year’s catastrophic landslide in Hiroshima. Given those challenging tasks with no easy solution, it is important to ask ourselves not just what we as civil engineers can do, but also to ask what we should do to protect lives of our people without compromising landscapes and natural environments. In this discussion session, we are going to discuss what present and future civil engineers can do to build resilient and prosperous society for generations to come. In order for the session to be fruitful, the panellists include non- engineers as well as experienced civil engineers of both genders. Also to be discussed with the panellists from a diverse background is how the engineers can publicize their serious commitment to the above mentioned issues.